藤守の田遊
静岡県焼津市藤守
P20号
縦727×横530
藤守の田遊は大井八幡宮に古来から伝承されている祈念礼式祭に続いて、その年の豊穣と平和を祈願するために夜を徹して行われる田遊25番の芸能のひとつです。 田遊、あるいはこれに類する田楽などは素朴なものが多い中で、藤守の田遊は奉仕の青年たちが、女人に擬して白粉や紅をもって化粧し、女物の帯を寄席あわせて襷とし、ショッコという稲藁で作った色紙・金紙銀紙を散らした冠り物を目深にかむり、美濃紙を細かくちぎった紙蓑をつけ、夜のわずかな灯火に花火とまがう華麗美があります。 伝承の由来は古く、およそ千年ほど前の平安時代に、大井川の水霊を鎮守するところから始まったとされています。 田遊は「お能」「わざおぎ」とも呼ばれ、また神社の記帳は「猿田楽」とされているといいます。この古風な呼び方こそ、古代・中世の農耕儀礼であった田楽芸能の伝播と定着を示すものといえるでしょう。田楽は専門の田楽法師が稲の成長をことほいで歌い舞ったもので、後年、能を演ずるようになり、社寺の行事に残存してきた中世を代表する芸能のひとつであります。
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